Wednesday, January 19, 2011

K10STATの使い方

AMD製CPUをWindows環境で使う時にとても便利なソフトに、K10statというものがあります。

このソフトウェアは、CPUの負荷によって周波数、電圧を自動で切り替えることによって

低負荷時は省電力、高負荷時は高性能なPCの実現を可能にしています。


この記事では、僕が個人的に調べたこのソフトウェアのより効率的な使い方を紹介します。






まずはCPUの特性について解説をします。



CPUは、クロックと呼ばれる1秒あたりの計算回数が多いほど計算が速くなります。
しかしながらクロックを上げるためには電圧も上げる必要があるために、
クロックを上げると消費電力や発熱が飛躍的に増加してしまいます。
(消費電力・発熱はおおよそクロック数に比例、電圧の2乗に比例します。)

また、CPUのデフォルト電圧はどんなPCでも安定して動作させる為に高めに設定されています。

ですからCPUのクロック・電圧が設定できるこのソフトウェアを使って、
それらを自分の使っているCPUの個体に最適な値に変更しようというわけです。



下の画像は、K10statの設定画面です。



デフォルトではP0,P1,P2,P3の4つのステートが用意されています。

上の画像の設定では、


負荷がほとんど無い状況ではP3ステート
(800MHz/0.7000V)

P3ステートでCPU使用率の平均が15%を100ミリ秒間上回るとP2ステートに移行
(2000MHz/1.0750V)

P2ステートでCPU使用率の平均が25%を100ミリ秒間上回るとP1ステートに移行
(3200MHz/1.2500V)

P1ステートでCPU使用率の平均が60%を100ミリ秒間上回るとP0ステートに移行
(3400MHz/1.3500V)

このようになっています。





次に起動オプションの解説をします。
K10statのショートカットをスタートアップフォルダーに入れると、起動こそしますが、
自動でクロックをコントロールしたり、タスクトレイに常駐したりできないはずです。

そこでショートカットのプロパティから起動オプションを指定して、これらを有効にします。



D:\Tools\k10stat\K10STAT.exe -lp:1 -nw -StayOnTray -clkctrl:3

上記はうちの環境での設定例です。
K10STAT.exeまではファイルのパス、それ以降が起動オプションです。


-lp:1  プロファイル1をロードする
-nw 起動時にウィンドウを表示しない
-StayOnTray タスクトレイに常駐する
-clkctrl:3 クロックコントロールの設定3
(全コア平均のCPU使用率を元にクロックをコントロールするモード)



※注意点※
オーバークロックは自己責任です。
WindowsVista以降の環境でK10statをスタートアップで起動する為には、UACを無効にする必要があります。
上記の設定は4コアCPUであることを前提にしています。他のコア数のCPUを使う場合には、設定値を適宜変更すると良いでしょう。



K10statの機能の一つであるAltVidの使い方についても解説しています。

FXシリーズのクロック・電圧制御についても解説しています。
AMD PSCheckの使い方について

こちらへどうぞ。